「無駄の削減」、「CO2排出量の削減」、「補正予算の削減」等々。新政権が発足し、「削減」という言葉が毎日聞こえてきます。
そんな中、なかなか聞こえてこないのが「政府債務残高の削減」。
政府債務残高とは、国と地方が抱える長期債務の残高。つまり政府の借金です。年々増え続けており、財務省の見通しでは2009年度末の残高は800兆円強と、国内総生産(GDP)の1.7倍となっております。欧米の主要国がおおむね0.4倍~0.6倍である一方、日本は圧倒的に高い水準にあります。
新政権は旧政権時代の歳出を熱心に削減していますが、その削減分は新政策の財源に使われてしまいます。その結果政府債務残高はそのまま・・・。しかも名目成長率の低下により、税収は大きく落ち込みそうな気配です。既存債務の返済は将来の基礎的黒字(税収-政府支出)で賄わなければならないとされていますので、そうなると財政事情は、旧政権時代よりもさらに悪化する可能性もあります。
旧政権は2011年に基礎的財政支出の黒字化を目指していましたが、この目標も大幅に先送りされました。
無駄の削減と目標の先送りだけでは今までと何も変わらない・・・いいえ、今まで以上に厳しい状況が待っているかもしれません。
日本国民全員で、薄く広く負担するという方法を今のうちに少しずつでも取っていけば、何かが大きく変わるのかもしれませんね。